パンダ。
これほどまでに日本人の心を惹き付けて離さない動物が未だかつていただろうか。
パンダ来日フィーバー。パンダグッズを売れば必ず売れる。シャンシャンにレイレイ、シャオシャオ。前割愛。
しかし、しかしだ。今上野にパンダはいないのだ。あのヒーローは不在なのである。
白と黒のコントラストを小粋に効かせた、愛くるしいまるっとしたシルエット。
竹を手に持ち観客たちを喜ばせてきたパンダは今やもう上野にはいない。
じゃあ彼らは何を求めて上野動物園を訪れるのか。私には分からない。
パンダの居ない上野動物園なんて上野動物園ではない。
さてそこでパンダから派生してパンタグラフに話を移そう。
皆はパンタグラフをご存知だろうか。
電車に乗らない人間は現代の日本には居ないと思うが、あれだ電車の上に菱形の形をした金属が付いている車両があるのを見たことがないだろうか。そのパーツをパンタグラフと呼ぶ。最近はめっぽう見なくなったが、私が子どもの頃はよく見たものだ。
そのパンタグラフとパンダになんの関係性があるのかと言うと、パンダがいないなら、上野駅でパンタグラフを一度見るといい。何とも郷愁じみた気持ちになれる。
金の卵と呼ばれた人々がいたあの古き良き時代、上野駅は東京を代表する一大駅であった。その時代に思いを馳せて、それからもう居ないパンダを静かに想う。そして諸君は新しい上野の女王様となるRIOに会いに来る。なんとも叙情的じゃあないか。
上野に来ないか。パンタグラフのついた電車に乗って新しいパンダに会いにこないか。
漆黒の両腕、白い肌、そしてまたまた黒いボンデージ。竹の代わりにムチを持つ。
まさにパンダ。RIOパンダは芸達者だ。中国に返還されることも無い。まさしく金の卵、上野のニュー女王様の誕生である。新宿からはるばる上野へと来たパンダはルックスも芸もパワーアップ。竹や笹はケインやムチに。食べる代わりに諸君らのケツを引っぱたく。破裂音はパンダの血を滾らせる。上野で一番の人気者となるのだ。
さあ諸君、上野動物園もいいが、上野のホテルも悪くはないぞ。なんたってパンタグラフのついた電車に乗ってはるばるRIOパンダがやって来るのだから。
