MISSTRESS BLOG

ミストレス ブログ

悪魔が笑いて

深夜二時、男の高笑いが聞こえた。
私は驚嘆と恐怖で飛び起きた。
母の名を呼んだ。誰もいない。応えない。
急いで電気をつけた。
私は犬(本当のイヌ)を複数飼っている。その一匹の名を大声で呼んだ。
この犬はイビキをかく。それだと思った。
犬は飛び起きこちらを見た。

違う。そうじゃない。
何かが犬とは違う。
私は確信している。あれはこの世のものではない何かだ、と。一瞬で思考が覚醒する笑い声。
そうだ、悪魔だ。悪魔の高笑いだ。とてもしっくりくる表現である。
そのあとまた眠りについたが、その時にみた夢も性的に乱れた夢で、私は小学校の時の女の親友とセックスをし、男ともしていた。
LINEの通知音が3回鳴った。
私は覚醒した。

その内容も私を疲弊させるものであった。
私は返信し、何故かその内容に激昂し涙を流した。
普段はこんなことで狼狽しないだろうと思われる内容だった。

私の邪魔をする全てのものが憎かった。
私はこれから上野で、そして世界へ向けナンバーワンの女王になる女だ。
道を開けろ。そこをどけ。私が通る。

私は知人の革職人にリアルレザーのワンピースを特注で発注した。わざわざ遠方まで足を運びフィッティングも行う。
それはこれから始まる私のストーリーを象徴する、言わばお守りであり、戦闘服のようなもの。これを着て私は上野を闊歩する。
『プラダを着た悪魔』があるなら『リアルレザーを着た悪魔』とでも言おうか。

今夜、悪魔が笑った。
私も笑った。
そうか、お前は私か。私もお前か。
両性具有のお前は私をそちら側へ連れていく準備ができたんだ。
私も覚悟はできた。
年単位での覚悟だ。

Rolling Stonesの『悪魔も憐れむ歌』の通りか。
ルシファー。とうとうやって来たか。恭しく迎えいれよう。
私の人生は私が主人公。
みんな気付かないで社会の歯車になっているが、諸君らは自分の人生を生きていない。
自分の人生を生きるとはどういうことか、私が体現してやる。
嫌なものは嫌。好きな物はとことん極める。
社会が与えたいもの?そう、お得意の苦痛。でも大丈夫。
最悪の道に蹴落とされようが這い上がってきた。これからは最高の人生を作り上げてやる。そう、SMで。

嗚呼、ありがとう。
私は悪魔と契約したようだ。
この身が業火に炙られようが、死後のことなど知ったことか。
人生は一度きりだ。二度はない。好きなように生き死んでいくだけだ。
私は誤解していたようだ。悪魔もそう悪くないじゃないか。『悪魔が来たりて笛を吹く』なんて小説があったが、『悪魔が笑いてムチを振るう』。奴隷たちはインヘルノへ私と共に堕ちる。増やそうぞ、同士を。
私という悪魔の高笑いを実際に聞いた女王と人生を歩もうじゃないか。地獄は一変して天国となる。この世は地獄だと思っていた。違う。皆、考えを改めよ。この世は天国だ。
それは私についてくるものだけが手に入れられる楽園だ。
新宿で出会った奴隷も、これから出会うである沢山の奴隷も、私と共に天国に行こう。
そして魂をよこせ。高笑いして地獄へ送ってやる。

私に平伏せ。
20cmのヒールで踏み付けて嫌という程顔面を地面に擦り付けられ悪魔と契約した後、お前の魂は解放され天国へ。日頃いかに自分が愚かで自分の欲望に忠実でないか知らしめられたあと、魂は浄化される。
そしてまた俗世にまみれた魂を浄化しに私という悪魔に会いに来る。私に魂を捧げよ。

レザーを脱ぎ捨てた悪魔はボンデージに着替え、ムチを持ち諸君を出迎える。
痛いプレイが嫌いな諸君、安心したまえ。その場合の逃げ道もしっかり作ってある。痛みだけがSMではない。精神的苦痛、肉体的苦痛、変態的プレイ、言葉責めなど。多種多様なプレイがあるのだ。

ほら、聞こえないか?
今日も遠くで悪魔が笑っている。