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ミストレス ブログ

【碇シンジか?】

私が理想とするSMの形について、少し考えてみた。

一番近いイメージを挙げろと言われたら、私はこう答える。

『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジと渚カヲル。

碇シンジと葛城ミサトではなくて、だ。

一般的に考えれば、シンジとミサトの方がSMというもののイメージには近いのかもしれない。

ミサトはシンジに指示を出す。

シンジはそれに従う。

二人の間には明確な上下関係があり、ミサトはシンジを導き、時には叱り、保護する立場でもある。

だけど私は、そこにある関係性よりも、シンジとカヲルの関係性に強く惹かれる。

なぜか。

少し因数分解してみよう。

まず、シンジは幾度となくミサトの元から逃亡している。

それは、二人の関係性そのものが「好きだから一緒にいる」というものではないからだと思う。

ミサトとシンジの関係には、親子に近い側面がある。

ミサトはシンジの保護者であり、シンジには守られる側としての立場がある。

つまり二人の間には、責任や保護という関係性がある。

言い換えるなら、

【一緒にいる社会的な理由】

が存在している。

では、シンジとカヲルはどうだろう。

友達か?

友人か?

戦友か?

どれもしっくりこない。

少なくとも、二人が一緒にいることを社会的な責任や義務によって説明することはできない。

カヲルには、シンジを保護しなければならない義務があるわけでもない。

シンジに対して責任を負わなければならない立場でもない。

それでも、カヲルはシンジのそばにいる。

なぜ?

強いて言うなら、

【好きだから】

なのだろう。

それを象徴するようなカヲルの言葉がある。

「僕は君に会うために生まれてきたんだ」

この言葉には、二人の関係性を考えるうえで、とても重要なものが含まれているように私は感じる。

もっと因数分解するなら、二人の関係はまず、カヲルからシンジに対する【愛】から始まっている。

所有欲でもない。

独占欲でもない。

相手を自分のものにしたいという欲望でもない。

あえて言葉にするなら、【純愛】とでも呼べばいいのだろうか。

大人たちから利用され、世界を救うための存在として扱われ続けてきたシンジは、カヲルから向けられたその愛を、【無償の愛】に近い形で受け取ったのかもしれない。

だからこそシンジは、カヲルの愛に応え、一緒にいる道を選んだ。

そして最後には、カヲルがシンジを護るために自らの命を捧げる。

そこには迷いがない。

ここが、私がとても惹かれるところだ。

カヲルには、シンジを護る義務なんてない。

責任があるわけでもない。

社会的な理由があるわけでもない。

それでも護る。

なぜ?

そう問われた時、最終的には【愛】という、実に曖昧なものに帰結させるしかない。

私は、そういう関係性が好きだ。

行動の動機を、合理的な理由では説明しきれない。

「そうしなければならないから」ではなく、

「そうしたいから」

それすらも通り越して、

【そうせずにはいられないから】

というところまで行ってしまう関係。

私はSMにも、そういうものを求めている。

主人だから従う。

女王様だから従わせる。

マゾだから服従する。

もちろん、そういう分かりやすい関係性もSMの一つだろう。

だけど、私が本当に惹かれるのは、その先にあるものだ。

「なぜ、この人に従いたいのか」

「なぜ、この人に会いたいのか」

「なぜ、この人の言葉なら受け入れられるのか」

そういう問いに対して、最後まで合理的な答えを出し切れない関係。

ルイだから。

好きだから。

必要だから。

もっと知りたいから。

そういう、理屈では測れないものが二人の間に積み重なっていく。

そしていつか、本人たちですら「どうしてここまで、この人に惹かれているのだろう」と思うところまで辿り着く。

私は、そこにSMの面白さがあると思っている。

だから私は、SMを強度だけで測りたくない。

どれだけ激しいことをしたか。

どれだけ痛いことをしたか。

どれだけ過激なことができるか。

そんなものだけでは、私が求めているSMの深さは測れない。

むしろ私が見たいのは、その人の中で私がどんな存在になっているのか。

そして私自身が、その人に対してどんな存在になっているのか。

目に見えないもの。

数字にもできないもの。

言葉にすることすら難しいもの。

それでも確かに存在しているもの。

そういうものを、私は【SM】と呼びたい。

運命とか、愛とか、信頼とか。

人間が何千年考えても明確な答えを出せないような、曖昧で抽象的なもの。

本当は、そんなものを関係性の根拠にするのは、とても不確かなことなのかもしれない。

でも、だからこそ私は惹かれる。

だって、「そうしたくてできるもの」ではないから。

頭で考えて作るものでもない。

誰かに教えられて身につけるものでもない。

気付いた時には、もうそこにある。

その人だから。

その人でなければ駄目だから。

そういうところまで辿り着いた時、SMは単なるプレイではなくなる。

私は、そんなSMがしたい。

お前が私に服従する理由を、私が命令したからだけにはしたくない。

お前が私を必要とする理由を、私が女王様だからだけにはしたくない。

もっと深いところで、

【なぜかルイでなければならない】

そんな関係を作りたい。

それが、私の理想とするSMの形だ。