お前は、日常の中でどれだけ「自分」を抑えて生きている?
こうしなければならない。
これは言ってはいけない。
こんなことをしたら変に思われる。
そんなふうに、知らず知らずのうちに自分自身へ制限をかけているんじゃないかしら。
社会の中で生きていくためには、きっと必要なことなのだろう。
人と関わる以上、理性も必要だ。
我慢も必要だ。
周囲に合わせることだって必要になる。
だけど、私はSMには、そういう日常から一時的に解放される力があると思っている。
SMをしている時間くらい、お前がお前のありのままでいればいい。
「こんなことを言ったら変だと思われるかな」
「こんな自分を見せたら引かれるかな」
そんなことを考える必要はない。
むしろ私は、その逆を望んでいる。
【お前の狂いを見せて】
躊躇わなくていい。
普段なら誰にも見せない部分。
誰にも言えない欲望。
自分でも少し異常だと思っている部分。
隠している衝動。
「こんなことを望む自分は、おかしいんじゃないか」
そう思っているものがあるなら、それも含めて私の前に持ってきなさい。
私は、お前の「普通」を見たいわけじゃない。
普通の顔なら、日常でいくらでも見ることができる。
私が見たいのは、その奥にあるもの。
お前自身が隠しているもの。
理性で蓋をしているもの。
誰にも見せずに抱えているもの。
それを、私の前では解き放ってほしい。
私は、異質であればあるほど高ぶる。
「こんなことを考えるのは自分だけかもしれない」
そう思っていたものほど、私にとっては興味深い。
なぜそんなものを求めるのか。
いつからそう思うようになったのか。
それを誰にも言えなかったのはなぜなのか。
私はそこまで知りたい。
だから、綺麗に整理された欲望を持ってこなくていい。
上手に説明できなくてもいい。
「自分でもよく分からないけど、これが気になる」
それでもいい。
「こんなことを考えている自分が怖い」
それでもいい。
むしろ、そういうところから始めたい。
SMは、お前が日常で演じている「まともな人間」という役から、一度降りる時間でもあると思う。
会社員である必要もない。
誰かの子供である必要もない。
誰かの恋人である必要もない。
立派な人間である必要もない。
ただ、私の前にいる一人の人間として存在すればいい。
そして、その人間の中にあるものを見せてほしい。
私はそれを笑わない。
「そんなものを求めるなんて変だ」と切り捨てるつもりもない。
だって、私はお前の「変ではない部分」を確認するためにいるわけではないもの。
お前の中にある、他人には理解されないかもしれない部分。
そこに私は惹かれる。
異質であればあるほどいい。
理解しにくければ、なおさら面白い。
簡単に言葉にできないものなら、一緒に紐解いていけばいい。
それが私にとってのSMなのだから。
日常では抑えているものを、ここでは少しだけ手放してみなさい。
「こんな自分を見せてもいいのだろうか」
そう思った瞬間こそ、一歩踏み込んでみればいい。
私は、お前の狂いを見たい。
躊躇わずに見せてほしい。
綺麗な部分だけじゃなくていい。
理解されやすい部分だけじゃなくていい。
むしろ、誰にも見せたことのないところまで。
【解き放ちなさい。】
お前の中にある性(さが)を。
日常という檻の中では見せられない、お前だけのものを。
私は、それを見つけるためにここにいる。
