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ミストレス ブログ

【運命の出会い(前編)】

前回の記事で、私がBabylonに来ることになった運命の分かれ道について少しだけ触れた。

今日は、その続きを書こうと思う。

Babylonの創設者。

そして、ルイがこの世で最も尊敬する人の一人。

なぎささんとの出会いについて。

初めてお会いしたのは、2年前。

BabylonのHPに掲載するプロフィール写真の撮影の日だった。

第一印象は、とにかく掴みどころのない人。

「怖い人なのかもしれない」

そんなイメージもあった。

怒りそうとか、怒鳴りそうとか、そういう意味での【怖い】ではない。

もっと、本能的なもの。

【得体の知れないもの】に対する感覚に近かった。

今まで生きてきた中で出会った、どの人とも違う。

「こういう雰囲気の人は、きっとこういう人だろう」

今までの経験や、自分の中にある人間に対する統計。

そういうものが、まったく通用しない人だった。

同じクラブに在籍するmistressとして、私はちゃんとやっていけるのだろうか。

そんな不安を感じていたことを覚えている。

だけど、その印象は少しずつ変わっていった。

デビュー前の講習。

デビューしてから感じた、些細な不安や疑問。

どんなことに対しても、なぎささんはいつも真摯に向き合ってくれた。

私が出会った当初、なぎささんは在籍しているmistressたちのために、週に一度のSM研究会まで開いてくれていた。

多忙、なんて言葉を使うことすら恐れ多いほど忙しい人なのに。

それでも時間を作ってくれていた。

やがて研究会は、2週間に1回になり、月に1回になり、最近では2ヶ月に1回程度になった。

参加するmistressも少しずつ減っていった。

そして気付けば、ルイ一人のためになぎささんが時間を作ってくれる。

そんなことも、一度や二度ではなくなっていた。

今思えば、とても贅沢な時間だったと思う。

そこで、なぎささんが私に教えてくれたもの。

それは、【本物のSMとは何か】ということだった。

もちろん、「本物のSMとはこれです」と一言で言い表せるようなものではない。

私自身、まだその答えを持っていない。

きっと、一生をかけて追い続けるものなのだと思う。

そこに終わりはない。

そして何より、その時間を通して、なぎささんはルイのmistressとしての才能や感性を少しずつ開花させてくれた。

当時の私は、右も左も分からなかった。

マゾが何を求めているのかも分からない。

マゾから求められる「自分」というものも分からない。

何をすればいいのか。

どうすれば喜んでもらえるのか。

どんなmistressであればいいのか。

分からないことだらけだった。

そして、それがとてつもなく苦しかった。

耐え難いほど苦しかったことを、今でも鮮明に覚えている。

そんな私の疑問や苦しみに、なぎささんはずっと付き合ってくれた。

ライトなSM。

中程度のSM。

強度の高い、ハードなSM。

一般的には、ライト〜中程度のSMを求めるマゾの層が最も多い。

ならば、まずはそこにアプローチするべきなのではないか。

そのためには、何をすればいいのか。

そんなことを、ずっと考えていた。

でも、ある時ふと思った。

【SMを強度というベクトルで測るから、私は苦しんでいるんじゃないか】

ルイが求めているのは、どれだけ派手でハードなプレイができるか、ではない。

どれだけマゾを理解できるか。

どれだけ相手の心に近づけるか。

どれだけ心と心で繋がれるか。

つまり、目に見えるモノサシでは測れない種類のSMを、私は求めているのだと気付いた。

そう思えた瞬間、とても清々しい気持ちになった。

やっと、自分が何をしたいのか分かった気がした。

だけど同時に、新しい壁にぶつかった。

目に見えないSMを大切にしているということを、目に見える形で証明することができない。

ルイがどれだけ自分のSM論を語ったところで、

「それって、口先だけじゃない?」

そう思われてしまったら、私は何も言い返せない。

それが嫌だった。

だから、自分のSM論を文章にすることにも、どこか躊躇いがあった。

そんな煮え切らない気持ちを抱えていた私に、それでも言葉を届けてくれるマゾがいた。

「ルイ様のブログに感銘を受けて、会いに来ました」

その言葉を聞くたびに思った。

「伝わる人には、ちゃんと伝わるんだ」

「私の言葉や存在を必要としている人には、ちゃんと届くんだ」

そこで、ようやく気付いた。

私の目的は、私が迷っているかどうかにかかわらず、ちゃんと達成されていたのだ。

それ以外に、何が必要だろう。

――いいえ。

もう、充分じゃないか。

以前、なぎささんが私に言ってくれた言葉で、今でも強く印象に残っているものが二つある。

一つは、

「ルイさんは、私では取りこぼすであろうマゾの希望になれます」

という言葉。

とても恐れ多かった。

でも、それ以上に嬉しかった。

もう一つは、

「ルイさんって絶対に諦めないよね。いつも迷ったり悩んだり、もうSM好きじゃなくなっちゃうかなって思っても、絶対復活する」

という言葉。

「雑草みたいってことですか!?」

なんてふざけ合ったことが、昨日のことのように思い出される。

でも、その言葉を聞いて私はハッとした。

確かに、これだけ苦しんだのなら、もうSMが嫌になっても何もおかしくない。

幼い頃から飽き性で、部活もアルバイトも長続きしなかった私が、なぜかSMだけは辞めない。

どれだけ厚くて高い壁にぶつかっても、「辞める」という選択肢が浮かばない。

自分でも気付かないうちに、私はSMというものと想像以上に深く結びついていたようだ。

そして、それはなぎささんのサポートなしには、きっと実現しなかった。

それだけではない。

私のことを慕い、私についてきてくれるマゾたちの前から、無責任に消える。

そんなことも、今の私には到底許せない。

そういう価値観が自分の中に芽生えたのも、なぎささんとの時間が大きく影響している。

私がmistressであり続けるのは、ただSMが好きだからだけではない。

なぎささんが描いているSMの未来を、いつか一緒に実現したいから。

そして、そんななぎささんの大いなる愛のもとに、今のルイ自身が存在しているから。

だから私は、改めて思う。

私は【愛の女王様】として生まれたのだと。

なぎささんとの出会いがなければ、今のルイはいない。

私が迷った時も、苦しんだ時も、何度も立ち止まった時も。

なぎささんは、私が自分自身の答えを見つけるまで付き合ってくれた。

答えを与えるのではなく、考え続けるための場所を与えてくれた。

だから私も、これから先ずっと考え続けたい。

【本物のSMとは何なのか】

そして、ルイにしかできないSMとは何なのか。

きっと、答えに辿り着くことはない。

それでもいい。

終わりがないからこそ、一生をかけて追い続ける価値がある。

いつかルイが、なぎささんの右腕として胸を張れる日まで。

そしてその先も。

私は、mistressで在り続ける。

――なぎささん。

あなたに出会えたことを、私は一生忘れない。

ルイという女王様を生み出してくれたこと。

そして、ルイがルイであることを許してくれたこと。

そのすべてに、心から感謝しています。