付き従う女王様を探していたというマゾが、私を見つけてくれた。
自分の望んでいるものが本当にここにあるのか。
どんな女王様なのか。
自分は本当に、この女王様に付き従う覚悟があるのか。
きっと慎重に、時間をかけて私を見定めたのだと思う。
そして最後には、その覚悟を持って私に逢いに来てくれた。
私はそれが何よりも嬉しかった。
・
私は万人受けする女王様ではない。
誰にでも好かれたいとも思っていないし、誰とでも同じような関係を築きたいとも思っていない。
むしろ私は、広く浅い関係性にどうしようもない虚しさや虚無感を覚えてしまう人間だ。
だからこそ、私が求めるのは狭く、深い関係性。
誰にでも理解できるものではない。
誰にでも触れられるものでもない。
私と近い感性を持った者だけが、その深さに気づくことができる。
だから、初回カウンセリング20分という時間の意味も、私はとても大切にしている。
ただの顔合わせではない。
「この女王様に自分を預けられるのか」
「この人間に付き従いたいと思えるのか」
お前自身が考え、感じ、決断するための時間だ。
その時間の意味をしっかりと理解した上で、それでも私の前に来てくれた。
その時点で、私はもう生半可な愛で迎えるつもりなど1ミリもなかった。
そして実際に顔を合わせた瞬間、私は思った。
――ああ、この覚悟は正しかった。
本気で私を探し、本気で私を見定め、本気で私に逢いに来た。
顔を見ればすぐに分かった。
そんなマゾを前にして、私だけが中途半端でいられるはずがない。
マゾが本気だからこそ、こちらも本気になれる。
私は、自分の本気をマゾに伝えることを何よりも重視している。
なぜなら、圧倒的な覚悟を持たない主人に、付き従いたいと思うマゾなどいないからだ。
私がどれだけ深く向き合うつもりなのか。
私がどれだけの覚悟を持って、この関係性を見ているのか。
それを真正面から伝える。
そして私の本気を受け止めたマゾから、本気の忠誠が返ってきた時。
その瞬間、ルイの昂りはMAXを迎える。
今日、お前が最後に見せてくれたものもそうだった。
時間こそ短かった。
それでも最後まで完飲したその姿から、私はお前の覚悟を全身で感じ取った。
武者震いがした。
ああ、この男は本気なのだと。
その感動のせいで少し素っ気ない態度を取ってしまったのではないかと後から気になった。
お前が気に留めていなければよいのだけれど…
ただSMをしたいわけでもない。
ただ女王様を探していたわけでもない。
自分が心から付き従いたいと思える存在を探し、そのために慎重に私を見定め、そして覚悟を持ってここまで来た。
その「行動」に、私は何よりも価値を感じる。
言葉だけならいくらでも言える。
「忠誠を誓います」
「あなたに付き従います」
「あなたが主人です」
そんな言葉よりも、実際にどう行動したのか。
私はそこを見る。
だからこそ、お前が私を見つけて、考えて、覚悟を決めて、今日ここまで来たこと。
そのすべてを私は受け止める。
そして、お前がその特別な感性を感じ続けてくれる限り、私もまた、その瞬間を看取るその時まで、ルイという女王様の座に居続ける覚悟を持っている。
狭いからこそ深い。
深いからこそ重い。
そして重いからこそ、返ってくる忠誠にも価値がある。
私はそんな関係性が好きだ。
また月末頃か、来月頭に会いましょう。
次に会う時は、今日よりももっと重くて、もっと深い愛を求めて。
お前がそれを望むのなら、ルイはその先まで連れていってあげる。
